これは、50歳を過ぎてから海外に出てシェフをしているわたくしの記録です。も、十話目になりました。
忘備録的な感じかもしれませんが何かの参考になれば幸いです。
一話目から九話目まではこちら ↓ ↓ ↓
二度目のトゥルムでの10日間
ケレタロ案件をまずお断り
トゥルムに即決しちゃったからには、おセレブ条件のケレタロ、某大企業様案件早めにお断りをしなくっちゃだわ!とエージェントにメールを書いていると同時にエージェントから、メールがきました。
エージェント:旦那!内定通知書発行してもらうの成功しよりましてん!
時すでに遅し、、決めちゃったもんね。行け!セルフシェフへの獣道。
辞退の理由は以下の通り。(自分へのメモ)
・ケレタロ案件が持ち上がってからすでに3ヶ月以上が経過してからの内定ということ
・日本から遠く離れているのに大企業が故に現場決済がままならないということ。
・現場決済がままならないということは、現地入りして作業をし出しても、どんどん遅
れていくことが予想される。
*これは、わたくしの中での信条。
1分の遅れは一時間の遅れにつながる。
一時間の遅れは、三日の遅れにつながる。
三日の遅れは、一週間の遅れにつながる。
一週間の遅れは1ヶ月の遅れにつながる。
最終的に納期が遅れ、クライアントに迷惑をかけることになる。
若者時代に大御所デザイナーの元で丁稚していた時に性根に叩き込まれたのさ。
・大企業にありがちのトップダウン方式の有益ではない側の面を見て、自分個人には
あっていないと判断。(それが身にしみるのに3ヶ月かかっちゃったわけだけど)
・それにたいして、辞退をすることにより私からの愛のあるささやかなアンチテーゼ
のつもり
エージェントさん、先方が大変惜しがっているということを伝えてくださり、ありがとうございます。ぺこり。
そして、さらに、、
どないでっか〜〜?モスクワでラーメン小料理屋の料理長ってのあるんですが、、、
と、次の案件をガシガシ送ってきたので、お付き合いも3ヶ月になるエージェントさんには、トゥルムという街に魅せられて、セルフシェフの道へ行くことを丁寧に、説明させていただきましたところ、感涙なる応援をいただきました、ことは懐かし。。
それにしてもこのエージェント、ラオスの件といい、絶妙なるネタ持ってるわぁ〜。。
(ラオスの件は5話目にて詳細あります!)
メニュー作成とレストランの名前
どか〜ん!と、契約書もない、やります宣言 をした翌日より、早速
作業に取り掛かります。
それにしても、今までは、必ず紙切れ契約書をかわすのがフリーの掟。
しかし、この時、ほ〜んとに何にも考えずに、イタリア人オーナー「マダムP」を信頼したのか、今でも不思議ですが、野生獣の勘が働いたのかな。。。
翌日から、メニュー作成を「CRAZY CHEF」とともに始めます。
寿司関係は、CRAZY CHEFの担当(彼は、メキシコ各地を転々と11年も和食 CEHFをしています。メキシコのことなら、ど〜んと頼れます。)
餃子やチャーハンなどと豆腐料理、それから、ハノイのホテルの社食のシェフに教えてもらったフォーや、スプリングロール、揚げ春巻き、得意のタイ料理などはわたくしの担当です。
この作業がもう大変な作業。。。
コスト計算をするために必要な食材をわたくしが書き出す(日本語)
CRAZY CHEFがスペイン語ですらすら書いていく。
スペイン語で書かれたものを理解するためにグーグル翻訳先生で自分のノートに日本語翻訳する。。
頭の中ぐっちゃぐちゃ!!!恐るべし、スペ語。。。
まあ、この時の苦労がわりかし早い段階でスペ語で食材くらいは理解できるようになったんだとは思います。
イタリア人オーナー「マダムP」と、隣のジェラート屋のオーナー「J.A」、
正体不明のイビザからやってきたイタリア人HANAさん、とわたくしとCRAZY CHEF、で、数日の間、レストランの名前を決める作業も開始です。
まあ、いろんな案が出たのですが
(わたくしの名前そのまんま使うとか、あだ名を使うとか、、)
CRAZY CHEFが何から発想を得たのか、急に
テンニョ、天女、TNNYO!!にしよう!!
と、まるで一発芸でも始めるかのように、声高々に宣言しました。
何やら、テンニョの「ニョ」はスペ語で発音もあるからちょうどよかたい!
とのこと。。。
わたくしはそのへん、わりかし、無頓着で
"名前は記号、年齢は元号" にくらいしか思っていないので、
ええんちゃいまっか〜〜。な感じで、全員一致で決まりました。
(後で意味を聞かれて困ったので、 Wikipedia先生を紹介したのは本当です)
トゥルムを堪能
この二度目のトゥルムでの10日間、、午前中の涼しい時間はミーティング、午後は、ビーチやセノーテ、夕方からレストランに必要な食器や什器を買い出しにカンクンまで移動、、。夜は街じゅうに溢れる音楽やカフェを渡り歩く、、みたいな毎日です。
パラダイスXcaret Hotelに泊まってみる
途中、CRAZY CHEFがブランチでマグロの解体をするパラダイスHotel Xcaretにも行ってきました。
普段は1000円くらいのドミトリー好きですが、
やるときゃやるんじゃ〜!
っな、勢いで、オールインクルーシブのXCARETに一泊48000円(自分への言い訳としてリサーチ名目)を、堪能してみたなり〜〜。
XCARET Hotel についてはまた、あとでまとめたいと思います!
ちょっと脱線ですが、、、
年子三人の子供達が小さい時分に結構、旅行に出かけていました。
そん時、子供達がよく言っていたのは、「天国と地獄ツアー」。
10日間の旅なら、9日間は1000円以下の安宿、。1日だけ、豪華なホテル、。。。
ってなわけで、普段はドミトリーで済ませるけど、目的があれば、豪華なホテルだって
泊まるんだな。。。
普段は、野菜かじってるけど、記念日にはTOKIOマンダリンで食事だってするんだな。
ってのはどうでも良い話で、、、
なんやかんやと10日間の滞在を終え、
ちょっくら、日本まで全財産のバゲージ取りに戻ります、。あたくし、、
ってな感じで、2/9にロスに向けて飛びました。14日には戻ってくると宣言して。。
それにしても今考えるとなんと慌ただしくて無謀な行程。。。
時差のこと忘れていた
ロスアンジェルスにはトランジットのために夜分につきました。
ロスアンジエルスの空港の椅子で一泊です。(劇寒かった)
この時、夜中にいきなり気がついたのが、、、
時差に気づかず、まさかの、一日あとのフライトをとっていたのです。
今となってはなんの用事だったか忘れてしまったのですが、、とにかく、2/10朝ロス発の便に乗って日本での用事に間に合う。。はずの予定だろよ、おいっ!自分!
ってのを、自分のとったフライトが、一日後の便、、ってのを、ロスの空港で寒さに震えながら過ごす真夜中に気がついたのです。(ちょーかなしー)
PCで、ユナイテッドのホームページとにらめっこを明け方までしながら、(ってか、寒さに震えながらでの椅子の上じゃあ寝ることもままならないし、)
朝一に、ユナイテッド航空のカウンターに交渉に走ります。
担当職員:これね〜無理無理、、もう遅いあるね〜〜
わたくし:でもね、今、あんたの会社のHPみたら、空きがあるだよ!!
あたしゃ、あんたの会社のマイル使ってんのよ!も一回、リロードしてみて
くれよ!一生のお願いだから!!
って、通じてんのか、通じてないのかわかない英語を駆使して、言ってみたら、、、
担当職員:あった〜〜!あんた!ラッキー!!いますぐ発券するから、20分しかないから、ゴーゴー!!みたいな、、、、、
ってことで、何がどうなって乗れたのか、わからないけれど、、、
オレの、ひどい英語でも、なんとかなっちゃっんだな、、
VIVA !!コミュリョク。。。
無事、自分が立てた計画性がない計画通りに、2/10に日本に全財産、ピックアップしに戻ることができました。。。
ユナイテッド様のおかげで、無理やり、2/10にTOKYOに戻らせていただけたわけです。
そう、、、2/10にTOKYOに着いて、いろんな書類集めて、わずか、4日間のTOKYO滞在の果て、2/14、バレンタインだってぇのに、ワクワクのトゥルムに30キロの荷物とともに飛ぶために、、。
で、今ふと思えば、、なんでまた、こんな綱渡りみたいなことしてんのさ、ワレ。。。
50歳からでも海外就職したり、シェフになってみたり
した記録がなんかの足しになればよいかと存じます。